マラソンを始めよう!
~“第一生命流”フルマラソンへの道!~
step05 酒匂コンディショニングコーチに聞く! 「体をいたわる」

酒匂コンディショニングコーチはじめまして!山下監督のアドバイス通り、60分程度のウォーキングから始めてみようと思います。まず準備運動(ストレッチ)はどのように始めたらいいですか?

酒匂コンディショニングコーチ「走る」ことは歩く延長線上にある動きと考えればいいと思います。将来的にマラソンを目指すにしても、いきなり走ることにこだわるよりも、まずは正しく歩くことからいろいろ学んだ方が故障のリスクも少ないですし、「歩」から「走」への移行も無理なくできると思います。
まずストレッチについてです。例えば、60分歩くことを目安にして組み立てた場合、動き始めの約20分間は歩幅8割、両腕は肩の力を抜いて体に添える程度でのウォーキングをしてみましょう。体がほぐれてきたら、一度歩くことをやめ、足首周り・ふくらはぎ・腿(もも)の裏側などの筋肉を伸ばしてあげましょう。ウォーキング練習時のストレッチはこの程度でいいと思います。
ストレッチが終わったら、今度は少しだけ歩幅を伸ばすことを意識して歩くといいですね。少し動きを大きくすることで、歩きながら自然に関節の可動域も広げることができます。

★★ひとくちメモ★★

距離(1km)を確認できるエリアがあれば、タイムをチェックするのがオススメです!これが習慣化できれば場所が変わっても、だいたいの距離感とペース感覚がつかめるようになりますよ。

ジョギングを60分した後のクールダウンは、どれくらい行えばいいですか?

酒匂コンディショニングコーチ練習内容や負荷の強弱によって時間も変わってきますが、ゆっくり走るジョギング(1km5分以上のペース)では、あらたまったクールダウンは必要ないと思います。しかし、走り終えた後すぐには止まらずに、心臓の鼓動が普通に戻るまではウォーキングなど動いてあげるといいですね。

★★ひとくちメモ★★

人間の体は幾多のストレス症状に対応できる機能を兼ね備えていますが、基本的に長時間走れるようには設計されていません。そのため長時間走っていると、筋肉や関節への強ばり感や全体的なバランスに多少違和感も出てきます。「無理せず頑張る」範囲内の運動刺激であれば自然に回復してきますが、あるレベルを超えた練習など強い刺激を入れるようになったら、クールダウンは必須です。クールダウンの役割には「戻す」という意味もあります。練習直後の心肺機能や筋肉神経系の興奮を速やかに収めることが、継続した練習へと進む一歩となります。

練習前に選手に行う「コンディショニング」の意味と、練習前のストレッチを教えてください。

酒匂コンディショニングコーチ練習前に行うコンディショニング(調整)は、練習内容によってバリエーションが多少変わってきますが、基本的には動きやすい状態と筋肉バランスを作ってあげることを心掛けています。写真で解説しましょう。

肩甲骨のほぐし・1

息をゆっくりと吸いながら、両腕を上げていきます(耳を挟むような感じで)。手のひらを頭の頭頂部で合わせ3~5秒静止します。
ゆっくりと息を吐きながら合わさっていた手のひらを外にねじる感じで開きながらひじを曲げ、両腕を下ろしていき(左右の肩甲骨の間が狭まりひじが下がりきるところまで)、3~5秒静止します。

肩甲骨のほぐし・2

背筋を伸ばしながら両腕を伸ばします(背中を丸めないように)。
伸ばした状態から胸郭を開き両肩甲骨を近づける意識で引き寄せます(各5秒間)。

肩甲骨周辺のストレッチ

自分の体重をかけて行うストレッチで無理なく自然に伸ばすことができます。伸びている部位を意識し、無理のない範囲(可動域)から始めましょう。

股関節のほぐし・1

右ひざの角度を90度に保ち、上体は力まず地面に対して垂直に構えます。
さらに腕を耳につける感じで引き上げる動きをプラスすることで、よりスムーズにストレッチができます。

股関節のほぐし・2

股関節から脊柱(せきちゅう)に沿っての「ほぐし」と「バランスの修正」です。
気持ち良さを感じられる程度の刺激で行いましょう。

練習後の体のケアを教えてください。

酒匂コンディショニングコーチ第一生命チームでは、練習後のクールダウンや水分補給が終わったら、第一に足のアイシングから始めます。練習を行うと、関節や筋肉に不規則で局所的な熱感やストレスが発生します。それは必然的でごく自然なことなので、あまり不安に考えることはありません。

たかがアイシングされどアイシング

私たちが合宿で遠征するときは、腰までスッポリ入る大きなバケツを持っていきます。練習が終わるとバケツに水と氷を入れ、腰まで浸かって冷やしています。水温は5℃前後、出たり入ったりを数回繰り返します。

運動直後のアイシングには筋肉関節の炎症症状を抑え回復を促す効果があります。日差しの強くなる夏場、大きなバケツは選手達の必須アイテムとなります。練習直後に疲れを感じる部位を冷たいシャワーや、氷のうなどで数分間アイシングするだけでもその効果は体感できると思います。
手軽で回復効果の高いアイシングをもっと身近に活用してもらえたらと思います。たかがアイシングされどアイシングです!

アキレス腱、ふくらはぎ

ポジションを作る時、上体はリラックスした状態で始めるようにしましょう。
引いた足首の角度を変えることで、いろいろな筋肉刺激と強化が可能となります。

大腿部(だいたいぶ)前後のストレッチ

片足で立ち、背中の軸を意識しながら反対の足を甲のあたりを両手で包むように持ち、上の方に静かに引き上げていく。
片足で立ち、背中の軸を意識しながら背筋を伸ばし反対のひざのお皿を包むようにつかみ、引きつけていきます。

お尻~大腿(後側ハムストリング)のストレッチ

前屈する足の位置を変えることによって、複数の筋肉の協調性を高めたストレッチになります。
伸ばす側の足位置も工夫すると、面白い発見もあるでしょう。

ストレッチは「多少は痛いが気持ちいい」くらいの刺激から始めてみてください。あわてず、あせらず、あきらめず、です。

なるほど!自分の体と相談しながら、ストレッチを行ってみます。

第一生命グループ女子陸上競技部

第一生命は、スポーツや文化への支援の一環として、1990年に女子陸上競技部を創設し、選手の育成を行ってきました。「一人前の陸上選手に、そして一人前の社会人になろう!」をモットーに、指導体制・環境を充実・強化しております。本年も、日本を代表するランナーを育成すべく引き続き取り組んでまいります。

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